序章 1
1.本書の研究目的 1
2.本書の研究範囲と方法 3
3.本書の構成 11
第一章 日本語借用語の先行研究について 16
1.日本語借用語の研究小史 16
2.先行研究の吟味 23
3.これからの研究について 44
第二章 近代中日間における語彙交流の流れ 51
1.西学東漸と新語の生まれ 51
2.文明開化期の語彙借用と創出 60
3.中国人の日本語との早期接触 67
4.清末の政体改革と日本語 72
5.留学生の訳書活動と日本語語彙の伝播 77
6.日本語語彙の大量流入と定着 83
第三章 梁啓超『飲氷室合集』の日本語語彙—清末政体改革前後の資料を中心に— 95
1.作者及びその資料について 95
2.『飲氷室合集』初期資料の日本語と受容の時期·経路 102
3.『飲氷室合集』初期資料に使われた日本語の性格 112
4.『飲氷室合集』初期資料の日本語の受け容れ方 122
5.『飲氷室合集』の日本語が近代中国語への影響 127
おわりに 128
第四章 『訳書彙編』の日本語語彙—在日留学生の翻訳活動と日本語語彙の借用— 131
1.『訳書彙編』について 131
2.『訳書彙編』に使われている原語借用語 134
3.『訳書彙編』に使われている回归借用語 146
4.『訳書彙編』の日本語語彙の受け入れ方法 154
5.『訳書彙編』に収錄された日本語語彙の定着 163
おわりに 167
第五章 『日本遊学指南』の日本語語彙—在日留学生の著書活動と日本語語彙の借用— 170
1.『日本遊学指南』及びその考察の方法 170
2.先行研究に指摘された語彙への再考察 174
3.本章 で判明した日本語の語彙 179
4.日本語語彙の受容と定着 191
おわりに 196
第六章 中国語辞書『辞源』初版に収錄された日本語語彙の性格 200
1.『辞源』初版の編纂について 200
2.意味分類から見た『辞源』の日本語語彙 202
3.音訓、品詞分類から見た『辞源』の日本語語彙 206
4.中国語との関係から見た『辞源』の日本語語彙 208
5.『辞源』に収錄された日本語語彙の定着 217
おわりに 221
第七章 中国語辞書『辞海』から見た日本語語彙の受容と定着—『辞源』との対照を中心に— 224
1.『辞海』以前の辞書に収錄された日本語 224
2.『辞海』初版に収錄された日本語 231
3.『辞源』と『辞海』に収錄された日本語の対照 243
おわりに 253
第八章 <教える人>を表す語の中日語彙交涉史 259
1.漢籍と近代以前の日本語 259
2.漢籍·中国洋学書と明治期の新語創出 263
3.明治新漢語と近代中国語 273
4.「教員」という語について 280
おわりに 287
第九章 <学ぶ人>を表す語の中日語彙交涉史 291
1.古代における意味、用法 291
2.中世、近世における意味、用法 297
3.近代における意味、用法 304
4.日本語の影響を受けた中国語の「学生」諸語 312
おわりに 317
第十章 近代漢語系接辞「~者」の展開—中日間の語彙交涉を中心に— 322
1.日本翻訳語における近代漢語系接辞「~者」の登場 322
2.「~者」が多用される理由について 326
3.展開期における「~者」の使用上の特徴 332
4.近代中国語への影響 338
おわりに 345
结語 348
参考文献·資料一覽 357
事項索引 370
語彙索引 386